防音室を2階に設置する場合の床面耐荷重について

ものづくり

防音室を2階に作成するにあたって、床面耐荷重的には問題ないのでしょうか。その辺を個人的に調査した内容と、思考実験、実際に防音室を作ってしまった後の結果をお伝えしていきます。

目次

防音室DIYシリーズの目次です

1、本気を出して防音室を自作してみた
2、防音室とは。遮音と吸音の違いと防音理論編
3、防音室を2階に設置する場合の床面耐荷重について  ←今ここ
4、防音と窓からの音漏れ、その対策について
5、防音室に望む性能と重量の折り合い、設計について
6、防音室の床パネルと浮き床工法について
7、防音室の壁パネル作成、床との接合について
8、防音室の天井パネル作成、壁との接合について
9、防音室の電源引込、電気工事について
10、防音室の吸気口、排気口の作成について
11、防音室の内天井、内壁張りについて
12、防音室ドアの作成、取付方法について
13、防音室のドアノブ取付、グレモンハンドルの作成について
14、自作防音室の完成と総評

建築基準法上の積載荷重

建築基準法では建築物の積載荷重についての規定が存在します。
住宅の居室では、180kg/㎡と定められており、住宅の構造が木造であろうとRC造であろうと同じ数値です。
これを根拠に単純計算をすると、制作予定の防音室の面積は、1,820mm×1,720mm=3.1304㎡
法令上の積載荷重は、3.1304㎡×180kg=563.472kg
約550kgほどの荷重には耐えられそう。
内容物重量は可能性として、中に2人ほど入って、機材の重量なんかも考えると180kgほど見ておきたい。
差し引くと本体重量は370kgほどしか許されないのでしょうか。
そうなると大した防音性能は望めなくなるのですが。

いや、そもそもゴム足で床を支える点荷重方式で考えているんでした。
そう考え計算しなおすと、ゴム足の総面積は、、250mm×250mm=0.0625㎡
0.0625㎡×180kg=11.25kg
嘘だろ?
そんなこと言い出したら普通の人が部屋に立っていても床が抜ける感じになっちゃいますよ。
一般的サイズの足裏概算面積、26cm×10cm×2本=0.052㎡
0.052㎡×180kg=9.36kg
いやいや。そんなはずはない。

カラーボックスのパラドックス

しかし、同じように単純計算で考えると、背の高い本棚や水槽は存在自体が一撃アウトなのではないかという事も考えられます。
例えば、一般的なカラーボックスの6段型で思考実験をしましょう。
サイズは幅42cm、奥行き30cmとします。0.126㎡、耐荷重は22.68kgですね。本体重量だけで約17kgありますから、内容物は5.68kgしか入れられないことになります。6段カラーボックスにはフワフワしたぬいぐるみくらいしか入れてはいけないのでしょうか。
実際にはそんな事はないでしょう。6段のカラーボックスに本をギッシリ詰めても床は撓んだりしていません。

一方的解釈と、人柱になる覚悟

重量物を置く場合、部屋の真ん中に配置するのか端に置くのかなど、個別の事情にも大きく状況を左右はされるようですが、一般的には、居室全体の広さ×180kgで計算し、居室内の積載総重量がそれをオーバーしなければ良いという考え方が正解に近いのではないでしょうか。
私の部屋は6帖です。約10㎡ですね。ざっくり考えて1,800kgまでokなのではないでしょうか。それに加え自宅は軽量鉄骨造という事もあり、木造より構造的に丈夫だという事も言えると考えられます。
ただ、調子に乗って1tを超える様な防音室を作ったりして、床が下がったり建物が傾いたりすると目も当てられないので、概ね本体重量は500kgくらいまでかなという感じで考えていきましょうか。

そして実際には既に約500kgほどの防音室を作ってしまいましたよね。
竣工してお披露目をするために、自分を含めて家族5人(約300kg)で中に入り、雑談をしていましたが、今のところ特に何かが軋んだり撓んだりする事も無い様子です。
今後、人柱として何か不具合が生じましたらご報告をさせて頂きたいと考えております。


2021年2月23日、追記
2月13日に福島県沖で発生したマグニチュード7.3の震災では、秋田県でも震度4ほどの揺れが観測されました。現時点で特段の不具合は確認されていません。


次回は、防音室を作る前に気になっていた、窓からの音漏れについて考察していきたいと思います。

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました