レザークラフト用ハンドプレス機の自作

ものづくり

早くも必要性を実感

レザークラフトを始めて1作品目。ハンドプレス機の必要性を痛感し、早速作ることを決意。
自作ハンドプレス機に関しては先人達がこぞって自作をしているので、情報は溢れんばかりです。
ただ先人達の完全劣化コピーではつまらないので、自分なりにテイストを入れてみたいと考えます。
レザークラフト用の型紙を作る段階で、ある程度のCAD図面を描けるようになっていた為、まずは設計図を書き起こす事にします。
今回は、作業スペースに馴染むフォルムと、機能性にこだわります。
材質も様々検討しまして、鉄骨を溶接で組む案も浮上しましたが、今回使用する駆動部分のトグルクランプにそこまでの耐荷重性能は無いことも分かり、木材で組む事にしました。今後、1tを超える高荷重が必要になったら鉄骨案を再燃させましょう。

トグルクランプの性能比較

皆様御用達のスーパーツール社製、横押型トグルクランプ「TPA50F」ですが、最大支持力2kNとあります。分かりやすくkg換算で約200kg。菱目打ちで穴を開けたり、カシメ金具を付けるには十分な値でしょう。ただ今後、型抜きや型押しをしようと思うと、もの足りないかも知れません。(まだキーホルダーしか作っていないひよっこレザークラフターが何を言う。そんなご意見は重々承知です。)
また、これより高性能な「TPB50F」というものも存在します。本体支持力、約450kg!しかし本体サイズやストローク幅を考えると、かなり大仰な装置になりそうなのでこの案も却下。やはり先人達の選択は常に正しいのだ。

設計方針

ここまで考えて方向性は定まってきました。
・木材を使用するので、なるべくトグルクランプ最大支持力の200kgに耐えられるようにしたい。
・力の掛かる部品廻りを強固に設計。
・なるべく余分なパーツを減らし、力の分散を押さえたい。
・据え付け後の安定性が欲しいので、ある程度の重量は欲しい。まぁ持ち運べる程度。
・作業スペースが作業小屋ではなく書斎なので、なるべくオサレな感じで。
・大きい作品を作る可能性も無い訳ではないので、プレス機の銜え幅(奥行き)も10cmくらいは欲しい。

いざ設計

木材は入手難度と経済性、強度、オサレ感と相談してヒノキの2×4材に選定。
フォルムはエッジの効いた斜め系デザイン。これをなるべく堅固に組んで完成。
材料費の試算と購入。(2019年5月時点での価格)
例のトグルクランプ : 1,190円
軸無しキーレスドリルチャック : 875円
口径変換ネジM12⇒M10 : 450円
檜2×4材 8フィート 1本 : 698円くらい?
(SPFでもホワイトウッドでも構わないと思います。)
合計 : 3,213円くらい
その他に必要なものは、60mmくらいのビスや、木工に必要な電動工具、少しの木工スキル。この辺はやる気でカバーしましょう。

本体を購入した場合

購入した場合の事も考えたのですが、どうしてもお値段がね。
評価も良い、協進エル様のものはコンパクトで機能性も良さそうですが、本体だけでこのお値段。打駒は別料金で1種あたり4,000~8,000円。恐らく菱目打ちは出来ないでしょう。
本格的なものを買おうとすると、やはり20,000~30,000円くらいになってしまう様です。恐らく質も良くて見た目もオサレなので、プロの方はこういうものを使うのでしょう。しかし、始めたばかりの素人にはここまで出せないのです。

作成開始

木材以外の材料はAmazonから届いたので早速組んでみます。
木材を設計図通りに切り出してビス止め。これでほぼ完成です。
実際には水平な場所に置いたら多少のガタつきがあったので、鉋と紙やすりで調整。檜材で作ったので良い香りです。塗装をするのも勿体ないのでこのままで。
あとは、決めておいた位置にトグルクランプを取り付けます。
クランプ側の雄ネジがM10で、ドリルチャック側の雌ネジがM12なので、ここで口径変換ネジが必要になります。
こいつを間に挟んで、ドリルチャックを取り付けると完成。

完成

IMG_1150.JPGIMG_1148.JPG
実際に使ってみましたが、どっしりと重量もあり安定性は問題なし。
菱目打ちはサクサク入って問題なし。ただ、カシメやホック類を扱ったことが無いので、それは今後確認します。
フォルムも個人的に気に入っています。
IMG_1147.JPG
設置場所の写真ですが、硬質ゴムマットを敷いて使用します。高さ調整は厚めの本などを使用して調整しています。
宅地建物取引士の更新講習テキストなんかが2cm厚くらいで重宝しますね。

その後

2019年12月現在、荷重的にも問題なく使用できております。
ただ、ドリルチャックにカシメ打ちやバネホック打ちを食わせて荷重をかけると木製本体の斜め接合部がやや悲鳴を上げます。このままではコーススレッドビス8本が破断する可能性もあり、破断したビスを抜き取りたくはないなあなどと考えて、ビスの位置に10MMの貫通穴を開けてボルト&ナットで完全固定しました。
行った追加改造はそんなところですが、あとは焼印を打ってみたりはしましたね。
ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました