遂に、1級建築施工管理技術検定を申し込む準備が概ね整いました。
廃人の様にゲームにのめり込みながらも、やることはやっていましたよ。
しかしこれが何よりも『困難』で、「理論武装や根回し」なくしては近付けない道のりだった。
実務経験証明欄に会社印をもらうという道のりがな。
会社から盛大に反対される
1級建築施工管理技士ともなると、会社側として実務経験証明書への捺印も慎重になりますよね。それには一定の理解を示します。
後に言及しますが、某大手建築メーカーが昨年末に公表した、実務経験不備による大量資格剥奪騒ぎも、私にとっては大きな向かい風となりました。
どのような理由で反対されたかについては、私の会社的な機密に触れる恐れもあり、会社を特定される恐れも大きい為に伏せます。
伏せた上で端的に申し上げれば、会社でこの資格の実務経験証明をするのが初めてであり、某大手メーカーの不備問題もあったばかりなので慎重に対応したい。捺印担当者レベルで考えて実務経験は満たしてないと思うからハンコは押せない。そのくらいのレベルなんですね。
反証と根回しの末に
ここで、はいそうですかと引き下がれるほどの緩い覚悟で臨んではいません。熱い想いで決意しているんです。実際に半年以上前から試験団体に問い合わせたり、受験の手引きの実務経験要件欄は穴が開くほど読み込んでいます。私的理論上は受験可能と言い切れます。
論理的且つ、物腰軟らかめに反証してみたところ、行政書士に聞いてみたけどダメだって言ってるからダメ。との回答。
そんな事を聞いてはいないんですよ。
そもそも、受験資格を満たしているかどうかを最終判断をするのは試験実施団体である建設業振興基金ではないですか。会社側は私が書いた実務経験証明書の内容に不備や詐称、ルール違反が無いかどうかを精査し、問題なかったら捺印はすべきではないですか。
社内の担当者や行政書士が受験資格の有無をジャッジするというのはどうも越権行為に見えるところです。
しかしここで、これ以上その担当者と押し問答をしても意味が無く、受験申込期日のタイムリミットも近いんです。
自分からみて一番近い立場の直接捺印権限者様に各所から根回しをしていただき、最終的には試験団体に直接判断を仰いで頂けることになりました。
そこでの回答は、恐らく受験可能だが、最終判断は申込内容を精査し決定する。という趣旨の物でした。素晴らしい。
ここまでやって、ようやく実務経験欄に捺印を貰えました。これはある種、試験より過酷な道のりだったのではないだろうか。逆に、ここまでやって試験団体から拒否されたら、それは潔く諦めます。関係各所の皆様には大変感謝いたしております。
しかし危なかった。不当に受験を拒否されて受験不能となっていたら、それ相応の報復対応を考えなければならないところでした。本当に自身がそのくらいの熱量を帯びていました。不毛な争いは時間と体力の無駄です。極力避けたいところです。
あとは申込書が手元に届いたら、住民票や写真を用意して提出するだけですね。
実務経験不備問題とは
今回、反対を食らった元凶ともいえる厄災が、この昨年末に公表された某企業による実務経験不備問題ですね。何とも記憶に新しいバッチリなタイミングで公表してくれたもんですよね。
仮に昨年度に実務経験証明を申請していたら、難なく通った気もするんです。私が2級資格で証明を申請した時はノータイムでしたからね。
まぁ恨み節はここまでにしておいて、どういった不備だったのかを考えてみましょう。
国土交通省が公表した資料によると、実務経験期間の重複による不備だったとの事です。
技術検定においては受験時の基本的なルールとして以下のものがあります。
『技術検定試験の実務経験申請にあたっては、検定種目7種(建築施工管理、電気工事施工管理、土木施工管理、管工事施工管理、電気通信工事施工管理、造園施工管理、建設機械施工)の工事の経験を、重複して申請することはできません。』※受験の手引きより引用
この具体的な例を挙げると、建築施工管理の資格受験で2010年から2015年の実務経験として申告し、合格した後、土木施工管理の資格受験時に2014年から2019年の実務経験として申告し合格するという行為があった場合、2014年から2015年の実務経験に関して重複が発生しており、これが不備として資格取消事由に当たるという事です。
不備問題の発生原因
公表に踏み切った某大手企業以外にも、この不備で合格している資格者は大勢に上るというのは安易に想像できます。
人手不足が騒がれて久しい業種であり、実務経験を満たすハードルがやや高過ぎるようにも感じられます。企業側としてもバレなければいいやという考えに至ったり、純粋に捺印担当者が重複の事実を見落とすという事は簡単に起こり得ます。
今や値千金の資格です。配置しなければ工事が進まない訳です。少ない資格者を奪い合うのにも限界があります。そうであれば既に居る自社社員に取らせた方がメリットは大きいですからね。中小企業であればあるほど、違反に対する「しきい値」は下がるとも考えられます。
では何故、こんな初歩的ともいえる重複申請がまかり通るのか。
個人的な見解としては、各種資格の試験実施団体が違う事により、各種団体同士でのデータ共有が行われていないのではないかという部分です。
以下に各種試験実施団体を書き出しました。
電気工事施工管理:建設業振興基金
管工事施工管理:全国建設研修センター
電気通信工事施工管理:全国建設研修センター
造園施工管理:全国建設研修センター
3団体あるんですね。
これが、建築と電気工事で重複申請を上げた場合、建設業振興基金内で重複の事実が判明しますが、建築と土木ではどうでしょう。
昨今は特に個人情報保護法の影響も大きく、公的団体といえど合格者データの共有などは出来ていないのではないでしょうか。
勝手に考える再発防止策
実施団体を複数に分けるというのは、このようなリスクも享受した上での決断だったとは思いますが、全ての企業や個人に善意を期待するのは限界があるのではないかと思われます。
簡単な解決策は、データを一元管理することです。試験団体を一本化すると解決でしょう。
ただ、不要な団体を一本化するという事は、天下り先が減るという事にも直結します。反発が大きいことも確かだとは存じますが、そうでもしなければ違反のリスクは依然残ります。
そこまでせずとも、取り急ぎ、各団体のデータを国土交通省などが集結させ、資格者の重複洗い出しくらいはできるのではないでしょうか。
この辺は非常に大勢の利権が絡みますからね。私がここで妄想を呟いていても何も変わらないでしょうね。しかし、今後の対応に勝手に期待しています。
ではまた。
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