防音室の箱は何とか出来上がりました。あとは防音ドアの部分だけです。
防音ドアの仕上がりが防音室の性能を左右すると思います。それくらい重要だとは思っていたのですが、詳細設計はこの段階でも行われていませんでした。これは由々しき事態。
頑張りましょう。
目次
防音室DIYシリーズの目次です
1、本気を出して防音室を自作してみた
2、防音室とは。遮音と吸音の違いと防音理論編
3、防音室を2階に設置する場合の床面耐荷重について
4、防音と窓からの音漏れ、その対策について
5、防音室に望む性能と重量の折り合い、設計について
6、防音室の床パネルと浮き床工法について
7、防音室の壁パネル作成、床との接合について
8、防音室の天井パネル作成、壁との接合について
9、防音室の電源引込、電気工事について
10、防音室の吸気口、排気口の作成について
11、防音室の内天井、内壁張りについて
12、防音室ドアの作成、取付方法について ←今ここ
13、防音室のドアノブ取付、グレモンハンドルの作成について
14、自作防音室の完成と総評
防音ドアの設計
1枚の厚い防音ドアにするか、いっそ2枚のドアにしてしまおうか、様々検討していましたが、結局答えが出ないまま、ここまで来ています。
2枚ドアにした場合、外開きドアと内開きドアになりそうですが、ただでさえ狭い防音室内側に開くドアを設けたくないですね。寸法上でもドアを2重に出来るほど枠の厚みも無さそうだ。
荷重が掛かる事と、戸当たりなどの収まりも考慮してドア枠材は2×6材にしていたのですが、これは正解だったと思われます。
とりあえず極力厚めのドア1枚を作成し、音漏れするようであれば内側ドアの設置も考えましょう。
防音ドアの設計開始です。
初めは野縁材で枠を組んで構造用合板2枚張りにしようかと考え、設計図も書いたところまで進んでいたのですが、どうも骨組みが弱い気がする。グレモンハンドルで引き寄せて閉める事を考えると、もうちょっと強い方が良い気がする。
第二案として、2×4材で枠組みをすることで強めのフレームができそうです。また、ドアハンドルの貫通穴部分の補強も問題なさそうです。これで行きましょう。ドアはこれでいいでしょう。
あとは戸当たりをどうするのか、どうやってドアを固定するのか、この辺ですね。
戸当たりについて
これは事前に考えていました。
普通のドアであれば左右と上部に戸当たりがあって、モヘアが付いていたりするわけですが、防音ドア的に考えるとモヘアやらゴム材などは音を通す邪魔な存在と思われます。
下面も含めて4面全てに戸当たりを設置することと、グレモンハンドルでドアを引き寄せた際、ドア本体の歪みを考慮して、ドアにフィットする形状で、ドア枠に戸当たりを固定するのが良いでしょうね。
これは設置後の写真ですが、実際にはドア本体を蝶番でドア枠に固定し、グレモンハンドルも設置後ですね。引き寄せてドアを閉めてみて、歪んだドアの形状を見ながら、戸当たりをドア枠にジャスト位置で固定していく感じにしました。
ドアの固定方法を考える
蝶番で固定する事は間違いないのですが、蝶番の設置方法って難しくないですか?蝶番の調整レベルであれば問題なくできますが、イチから設置っていう場合はどうしたものか。これは本気で一週間ほど考えました。
通常のドアよりも重いドアになりますので、少なくとも蝶番は4箇所止めしたいですね。蝶番の厚み分はドア枠とドアの隙間に繋がるので、それは限りなくゼロに近付けたいですね。
いくら考えてもトリマーで下穴を掘るしかないんですね。ドア本体とドア枠に下穴を開けて、良い感じに固定するしかないでしょう。
トリマー使ったことないんですが、買いましょう。これのためだけに。
届くまでの間にもyoutube見るなり、解説サイトを渡り歩くなりしてイメージトレーニングを積み重ねます。
私は上記のものを揃えましたが、この作業で使用したのは左右のみでしたね。本体と、テンプレート用のダブテールガイドがあれば事足りました。拡張性を考えてビットセットも買ってしまいましたが、未だに使用していません。これからそのうち使いますよきっと。
トリマーの練習と実践
初使用の電動工具をいきなり使用する訳にもいきませんね。十分に練習を積んで、自信が付いてから本番使用しましょう。
とりあえず端材を使用して動作チェック。
けっこうパワフルに削れるんですね!派手にミスったり、油断してたりするとこれは怪我しますよ。取り扱いには十分気を付けましょう。逆に言うと、入念に準備して油断しなければ安全に取扱いできる工具であることは言うまでもありません。敢えて言いましたけどね。
トリマーは危険な道具!みたいな先入観を排除して使用してみてもらえると嬉しいです。それなりに電動工具使用経験があれば問題ないです。
実際に使用する蝶番はこんな感じのやつです。埋め込む感じの3D調整蝶番とでもいうんでしょうか。作業小屋で転がっていたのを発掘しました。
下穴としては、ドア枠側に1段階。ドア本体は2段階の穴あけが必要になりますね。蝶番の寸法をしっかり採寸して、テンプレートを作成しましょう。ホームセンターで、シナベニヤ5.5mm厚とラワン材10mm厚のものを買ってきました。
ダブテールガイドのセットバックである約2mmを考慮して、下穴寸法より大きいサイズのテンプレートを作成します。CADで図面書いて印刷して、糸のこ盤で仕上げる感じで作成しました。糸のこ盤、万歳。
早速、これら3種のテンプレートを使用して試し斬りと行きましょう。2×4の端材をドア枠とドア本体に見立てて下穴を開けて組んでみました。
端材の寸法が下穴のそれとギリギリだったので、一部欠けてしまいましたが問題ない仕上がり。よし、これはイケるぞ。
まずはドア寸法図に、蝶番の設置位置も追記しておきます。なるべく荷重を分散して均等配置できるようにね。
ドア本体の蝶番設置位置を下書きしましょう。
穴を開ける位置に合わせてテンプレートをF型クランプで固定します。
トリマーで慎重かつ大胆に削っていきましょう。一度に掘れるのは3mmほどでしょうか。あまり欲張るとビットが折れて飛んできますよ。
また、ビットの回転方向に逆らって動かすと本体が跳ね上がるので、基本的には時計回り方向に動かします。まずは外周から削りましょう。
中心部もできる限り削りますが、本体を上手く押さえながら作業しないと深堀し過ぎてしまったりするので、深追いはそこそこにします。
削り残ってしまったバリやささくれをノミで削り落としたのがこちら。
続いてもう一段階掘り進めます。私が使用する蝶番がそう言った形状だったもので。再度、別のテンプレートをドア本体に固定します。
掘り終わったのがこんな感じです。
これをドア本体に4箇所全て繰り返します。集中力を要するので、MPがゴリゴリ持って行かれる思いです。
木屑や騒音の発生量がエグイのでお気をつけてください。普通は室内でやっていい作業ではないですね。
続きまして、ドア枠にもテンプレートを上手い具合に固定して掘り込んでいきます。ドア枠は1段階の掘り込みで終了なので比較的楽ではあるのですが、横向き且つ、ちょっとした高所作業なので緊張感も上がりますね。
このくらいで掘るのをやめて、残った部分はノミで落としましょう。
こんな仕上がりになります。
ドア設置直後の写真が無く申し訳ないです。ドアハンドルが既に見えていますが、詳しくは次回の記事でご紹介しましょう。
据え付けも無事に終わりました。ドアを設置した直後は、ドアの収まりがギリギリ過ぎて閉まらなかったのですが、ドアの端部分に軽くカンナを当てて削り、3D蝶番側でも最大限に調整して収まりました。
では次回、いよいよ大詰め。グレモンドアハンドルなんていう高価なものは買っていません。買おうかどうか、非常に悩みましたが買いません!
自作してみましょう。先駆者もいる様子ですので真似て作ってみましょう。
ではまた。
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