防音と窓からの音漏れ、その対策について

ものづくり

防音室を作成するにあたって、既存の部屋の窓からの音漏れが気になっていました。
また、防音室の配置的に、窓を一つ潰す必要もありそうです。その辺も法的に問題ないかどうかなどを検証してみました。

目次

防音室DIYシリーズの目次です

1、本気を出して防音室を自作してみた
2、防音室とは。遮音と吸音の違いと防音理論編
3、防音室を2階に設置する場合の床面耐荷重について
4、防音と窓からの音漏れ、その対策について  ←今ここ
5、防音室に望む性能と重量の折り合い、設計について
6、防音室の床パネルと浮き床工法について
7、防音室の壁パネル作成、床との接合について
8、防音室の天井パネル作成、壁との接合について
9、防音室の電源引込、電気工事について
10、防音室の吸気口、排気口の作成について
11、防音室の内天井、内壁張りについて
12、防音室ドアの作成、取付方法について
13、防音室のドアノブ取付、グレモンハンドルの作成について
14、自作防音室の完成と総評

ペアガラスの音漏れ

自宅窓は全てペアガラスです。サッシは1枚ですが、窓ガラスが2枚になっているタイプですね。
窓ガラスが2枚にも関わらず、結構音が漏れてくるんですよ。
具体的に例を上げると、自室の窓の外は裏の家の庭先になっており、裏の家族がウッドデッキの上でくつろぎながらお酒を飲んでいたりするとしましょう。次第にお酒が回って声も大きくなりましょう。

窓開けてたかな?と感じるくらいストレートに声が入ってくるんですね。
という事は私も自室内で電話で大きな声で話していると、会話がストレートに筒抜けなんでしょうか。それは嫌ですね。

窓ガラスが2枚になっているのにこんなに音が漏れるのは何故なんでしょう。
私自身も未だに理解しきれてはいませんが、「ペアガラスは断熱効果を期待すべきものであり、防音効果はほとんどない」らしいです。ガラスとガラスの間に空気層があり、これのお陰で熱が伝わりにくくなり、外の寒気が室内に入りにくい断熱効果は何となく理解できますね。
音を通してしまう原因としては、2枚のガラスの間が空気層となっていることにより、空気層をバネにして共鳴を起こし一定の低音域で透過損失が低下するらしいです。
もはや自分でも何言っているのか分かっちゃいない感じですが、AGCさんのホームページに詳しい事が書いております。
仮に、これ以上防音性を高めるとすれば、窓枠の内側に窓をもう一個付けるか、窓を物理的に塞いでしまえといったところですね。
同じペアガラスでも、2枚のガラスの厚みが違うと防音効果は高まるそうな。防音は奥が深いですね。

防音室の配置と窓を潰す覚悟

防音室の配置を考える前に、自室の間取図を掲載します。

こんな配置なので、防音室を設置するとすればパワーラックのある位置のどこかになるでしょう。そして、赤丸で囲った位置の窓は必然的に隠れてしまう配置になりそうですね。
しかし、ただ隠れてしまうだけでは、そこから音が漏れるのではないだろうか。それよりだったらいっその事、防音処理をして完全に塞いでしまったら良いのではないだろうか。そんな事を考えます。

建築基準法上の居室採光面積

建築基準法では住宅の居室のうち、居住のために要するものでは採光上有効な開口部を設けなければならないという規定が存在し、住居の場合は開口部面積を居室床面積の1/7以上としなければなりません。
窓を塞ぐとすると、この法令には抵触しないでしょうか。

自室は6帖なので床面積は10㎡。約1.43㎡の開口部面積が必要という事になりますね。
間取図でいうところの下側の窓は一般的サイズの腰高窓なので、これだけで1.43㎡はクリアしています。ということは右側の小窓は潰してしまって差支えないという事になりましょう。
これはもう潰すしかない。やってしまいましょう。

窓を防音しつつ潰す方法

潰すとなったら結構簡単です。吸音材を詰めて、物理的に板を打ち付けて塞げばよいです。ただ、外から見た際に吸音材がガッチリ見えてしまうのも、窓を完全に塞いでいることがバレバレなのも格好悪いですね。とりあえず、窓の内側にマジックミラーフィルムを張ってみる事にしましょう。

これが予想以上に良い感じでした。視線も遮られるのと、遮熱効果もあるらしいです。何より安くて良い。ただ、ロールの状態で届いたものを開封すると、新品にも関わらず折れ目があったりしました。この辺は値段なりなのでご愛敬。張ってしまえばそんなに気になりませんよ。
霧吹きで水を吹きかけて張り付けるタイプのシートなので、賃貸などにも良いかもしれません。

話が逸れましたが、窓の塞ぎ方に戻りましょう。外の景色が映り込んだ窓の写真を掲載する訳にはいかないので、イメージ画像で失礼します。

上の画像の通り、赤枠部分に木材を打ち付けます。ビスを打つので後戻りはできません。
あとは窓部分に吸音材のグラスウールを目一杯敷き詰め、窓枠の内寸法にカットした構造用合板を嵌めこみ、先に打ち付けた木材にビス打ちして固定します。今回、私は24mm厚の構造用合板で塞いでいます。

これが実際に塞いでしまった後の写真です。窓枠と合板の隙間にはクリアのコーキングを塗り込みます。カーテンレールや房掛けは邪魔なので併せて撤去しました。
ここまですると相当の防音効果が実感できました。雨風の強い日、外の雨音に耳を澄ませてみます。未加工の腰高窓からは普通ザァザァと音が聞こえるのですが、塞いだ窓側はほぼ聞こえません。

二重サッシは対応保留

小窓の防音はバッチリになりましたが、腰高窓側は未対策ですね。
防音室を完成させてみて、その性能によって対策しようかどうか考えようと、対応を保留にしていました。ただ実際に完成してみると、窓から漏れるほどの音も発生しない様子なのでこのままでも良いかもしれません。今後、気になるようでしたら改めて対策します。

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感想(13件)

仮に対策をする場合、費用対効果を勘案すると上記のリクシル社のインプラスを使用することになると思います。防音窓などを選ぶと金額の上限にキリがないんですね。
上記の後付け二重サッシを設置し、サッシとサッシの間に吸音材でもミッチリ詰めてやろうかと考えておりました。実際にはここまで対策をする必要が無さそうなのでホッとしています。

次回は、防音室の作成で最も苦心した部分でもある、重量と性能と予算の折り合いを付けながら設計を進めた部分をご紹介します。

ではまた。

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