輪ゴム鉄砲
ゴム鉄砲ってありますよね。
先日、娘にねだられて割り箸を組み合わせて作ってみたのがこれなのですが、華奢な作りですぐに壊れてしまいそうなのが気になります。
そこには奥深い世界が
ガッシリした躯体で作れないだろうかと考えて調べたら、木材でガチの物を作られている方々の多いことに驚きました。
そして、日本ゴム銃射撃協会なんていう団体まで存在している事を知りました。これは凄い。クールジャパン!
ゴム銃の内部機構まで公開してくださっている方々も多数おられるようなので、参考にさせて頂きつつ、オリジナルなものを作ってみましょう。
機構や素材を考える
機能的な事を考えると、銃身は輪ゴムの最大伸び幅に合わせて長く取った方が威力は上がりそうだし、連射機構なんかもあるとワクワクするのでしょうが、初心者なのであまりその辺は意識せず、好きなデザインに近付ける事を優先します。
まずは材料を調達するのですが、木材は近所のホームセンターでは手頃なものや、気に入る素材のものが見つかりませんでした。
皆様は何処で調達されているんでしょうね。とりあえず内部機構に必要そうな引きバネを買っておきます。
木材は結局、100円ショップで6mm厚の桐材、MDF板を調達しました。
本当はアガチスとかイチョウとか、銘木とまでは言いませんがちょっと高級感の漂う素材が欲しかった。
デザートイーグルを設計
あとはCADで図面を書きます。
個人的に好きなオートマ銃である、「デザートイーグル」のフォルムを参考にします。リボルバーは再現するのに難しい気がしますのでね。
到底、完全再現なんて芸当は出来ませんので、極力近いデザインを目指します。
デザートイーグルの全長が269mmに対して約3/4スケールな感じにします。約200mmですね。これならば買ってきた木材の長さにも丁度良い。
内部機構も予め決めておきます。今回はオッグクラフト様の「ちえみスペシャル」という、かつてTV番組に登場したモデルのものを全面的に参考にさせて頂きました。
こちらで言うところの、「斜面滑射方式」です。
こちらの作者様が創られた作品はもはや芸術品レベルですね。正直に感銘を覚えました。
作成開始
気を取り直して、作成に着手します。
CAD図面を印刷、木材に軽く糊で仮止めし、糸鋸盤で切り出して、軽くサンドペーパーで整えて、必要な部分を木工ボンドで張り合わせ、フタになる部品をビス止めしたのがこちら。
相変わらず作成中の写真が無いのは申し訳ない。
6mm板の五層構造なので、厚みは30mmですね。手に馴染む丁度いいサイズ。
これで3/4スケールという事なので、本物の大きさがエグイことが分かりますね。米国のそういうところが好きです。大は小を兼ねる。
デザートイーグルはハンドガンとしての機能性と威力のギリギリバランスを追求した結果の産物なんでしょうね。
痛恨のミス
そしてここで痛恨のミスが。
先ほど本体のトリガーガードの中抜きを行った際に、糸鋸盤の糸鋸を一旦外す訳ですが、外して付け直していたら糸鋸が斜めに曲がっているんですね。交換したり調整していたりして、ようやく復旧した訳ですが、まぁ試し切りをしたくなる訳ですね。
「端材だと思って試し斬りをしたのが内部機構主要部品だった!」の図
これは衝撃的でした。
新調した刀で辻斬りをしたら相手が親戚だった!くらいの衝撃度。
木工ボンドでペタペタ張ってみるものの、最終的には組みあがった内部で真っ二つに割れて、切り出し直しましたとさ。
覆水は盆には返りません。
再作成しました
これがその内部機構なのです。
本当はトリガーを実物に近い三日月型にしようと思っていたのですが、思ったよりも脆そうだったのでこの形状に落ち着きました。
引きバネは完全に内部に隠れるようにしてみました。駆動部側はヒートン金具。本体側は上から穴を開けて、爪楊枝を捻じ込んで木工ボンドで固定しています。
分かり辛いですが、作り直す前と後の駆動部品では輪ゴムをリリースさせるシャークフィン状の部分をやや大きくしています。作り直す前はゴムの押しが甘くて飛びづらいことがあったんですね。改良後は問題なし。まぁ失敗も逆に結果オーライだったという事で!
磨いて塗って完成
あとは組み上げたものにひたすらやすりを掛けていきます。
サンドペーパーでは日が暮れそうなので、ロータリーサンダー、ディスクグラインダー、ミニルーターなどを総動員しています。
完全に動作とは関係ない装飾ですが、銃口部分にドリルで穴を開けてソレらしさを演出。
最終的に、100円ショップで購入した塗料を塗って完成。
グリップ部分と、バネを引掛ける部分(本来では照準にあたる部分)をウォルナットカラーに仕上げました。
手仕上げなので、やすりを掛けた面もガタガタの斜めになっていたりもするのですが、結構気に入っています。
ゴムの伸びは160mmほどなので、威力や飛距離はそれなりに低く、見た目を最優先したデザインなので輪ゴムも非常に掛けづらいのですが、本来の目的は達成された模様です。
~今回の材料費~
・桐板6mm厚 120mm×400mm : 108円
・MDF板6mm厚 200mm×400mm : 108円
・水性ニス ウォルナットカラー : 108円
・引きバネ 全長25mm 線径0.9mm 2本入り :124円
合計448円
これはワンコイン。
必要な機材のことは無視していますが、やる気さえあれば手引きの糸鋸でだって作れますよ。
丁度いい端材があればバネだけで作れるかもしれません。
お子さまの夏休みの工作なんかにいかがですか。
ではまた。
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