ここが一番苦労した作業工程でしたね。作業量的にも作業強度的にも。
むしろここを乗り越えれば完成したも同然。
目次
防音室DIYシリーズの目次です
1、本気を出して防音室を自作してみた
2、防音室とは。遮音と吸音の違いと防音理論編
3、防音室を2階に設置する場合の床面耐荷重について
4、防音と窓からの音漏れ、その対策について
5、防音室に望む性能と重量の折り合い、設計について
6、防音室の床パネルと浮き床工法について
7、防音室の壁パネル作成、床との接合について ←今ここ
8、防音室の天井パネル作成、壁との接合について
9、防音室の電源引込、電気工事について
10、防音室の吸気口、排気口の作成について
11、防音室の内天井、内壁張りについて
12、防音室ドアの作成、取付方法について
13、防音室のドアノブ取付、グレモンハンドルの作成について
14、自作防音室の完成と総評
材料の調達
材料一覧を再掲しますね。赤字にしたものを取り急ぎ調達する必要があります。
使用部位 | 品名 | サイズ | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 単一重量 | 総重量 |
床材 | 針葉樹合板 | 1820×910×24 | 4 | 枚 | 2380 | 9520 | 20000 | 80000 |
床材 | グラスウールボード96 | 1820×910×25 | 6 | 枚 | 2360 | 14160 | 3960 | 23760 |
床材 | 針葉樹合板 | 1820×910×12 | 36 | 枚 | 1180 | 42480 | 10000 | 360000 |
床材 | ハネナイト板GP-60LE | 250×250×20 | 1 | 枚 | 5940 | 5940 | 500 | 500 |
床材 | エコフルガード、養生マット | 1820×910×3 | 2 | 枚 | 558 | 1116 | 1800 | 3600 |
壁材 | 2×4材 | 2438×89×38 | 20 | 本 | 658 | 13160 | 3600 | 72000 |
壁材 | 2×4材 | 1820×89×38 | 20 | 本 | 378 | 7560 | 2700 | 54000 |
壁材 | 2×6材 | 1820×140×38 | 3 | 本 | 1080 | 3240 | 4000 | 12000 |
壁材 | グラスウール断熱材16K | 100mm 9尺 | 2 | 巻 | 7080 | 14160 | 15000 | 30000 |
壁材 | 赤松野縁 | 3985×40×35 | 12 | 本 | 508 | 6096 | 2152 | 25824 |
合計 | 117432 | 661684 |
グラスウールボードだとか、断熱材の袋入りなんかは通販でゲットできるのですが、針葉樹合板12mm×36枚とか、2×4材の40本だとかは流石に配送してくれるところが見つかりません。こればかりはホームセンターに行って調達せねばなりません。
ホームセンターの軽トラック2時間無料貸し出しサービスなんかを実施しているところも多く見受けられるので、それを利用しても良いでしょう。
私は実父が軽トラックに乗っているので、ここだけ御力を借りました。ホームセンターで軽トラ借りて運搬して軽トラ返してみたいな流れって面倒なんですよ。何度かやった事ありますがね。
いざ、親父の軽トラックでホームセンターへ。
構造用合板、野縁材は問題なくありました。しかし、2×4材の8フィートが在庫切れです!6フィートならいっぱいあります!
8フィート材でないと床から天井までの高さに支障が出るのですが、、別の機会にもう一度来るとか、他のホームセンターに梯子するとかを考えたくなかったので、継ぎ足し利用することとします。
その分、無駄に発生する端材部分も考慮して、6フィート材を45本買うことにします。
後にも先にも、ホームセンターでこんなに木材を買うことなど無いのではないだろうか。
父には運搬も手伝ってもらい感謝しています。
壁パネル作成開始
さて、壁パネルを作成するのですが、流れとしては2×4材をカットして組んで行って、野縁材の間柱を入れ、構造用合板を打ち付けて完成!となるのですが、完成した状態のものを2階にそのまま運ぶわけにもいきません。その場で一度解体し、2階に運び込んで自室で再度組み立てる。この作業を壁面4枚分繰り返すのです。
壁パネルの高さは天井ギリギリのサイズなので約2m30cmほどでしょうか。倒した状態で組み立てても壁の端から端まで結構ギリギリ。どの壁パネルから組んで起こすのかまで事前にシミュレーションしておかないと詰む恐れがあります。脳内実験を繰り返します。
こんな感じの枠組みを4面作成するのですが、8フィートの材料が手に入らなかったので、1パネル当たり、5本の材料を継ぎ足し延長しなければなりません。
間柱は内外それぞれ対面で2本配置し、間に隙間が空くことで個体伝播音を減衰させる目論見です。
片側の柱部分は2本の材料を抱き合わせる形なので比較的簡単ですね。
足りない長さを補って、材料を互い違いに組み合わせれば柱の完成です。問題はその他の間柱部分。
苦肉の策と言ったところです。相欠き継ぎになるんでしょうか。足りない長さ分の材と母材をそれぞれ切り欠いて嵌め合わせる。その後はビスで固定する感じです。
この切り欠き作業がちょっと高難度な感じでしたね。丸鋸とジグソーを併用してなるべく真っすぐに切り欠く必要があります。
長尺材があれば全く必要のない、しかもやる事によって強度が落ちる気がする。この無駄な作業を4面分の間柱、12本分続けます。これは精神的にもしんどい。
そんなこんなで組み上げて、一度解体して2階に運び込み、再構築し終わった壁パネル第一号がこちら。
基本的には休日に作業をするのですが、壁パネルを1枚作るのが体力的に精一杯ですね。大工さんってすごい。
壁パネルを組む際、設計図通りの寸法に材料をカットして枠組みを作成するのですが、どうしても誤差が生じるんですね。枠の木材に反りが生じたりもしていますし、歪みは避けられない。
そこで、構造用合板を打ち付ける際、歪みを修正しながら打ち付ける事で真っすぐに仕上がるんですね。2×4工法ってすごい。熟練の職人でなくても比較的、良い感じに仕上がっていくんです。
電源引込の準備
とりあえず、壁パネルを2枚作成して、既存の壁面に立て掛けるようにして立ち上げて固定するのですが、壁パネル1枚がまぁ重いですね。多分70kgくらいあるんじゃなかろうか。
立ち上がった後の写真がこれなのですが、こうなる前に電源・TV線・LANケーブルを防音室側に引き込んでおく必要があります。
立ち上がる前の壁面に墨出しし、適正な位置に穴を開けます。ここから各種配線を引き込みするのですが、電源のVVFケーブルはコンセントを一度外して再設置する必要がありますので、電気工事士の必要な作業となります。まずはDIY好きな皆様には第二種電気工事士の取得をオススメしておきます。取得も容易ですし、絶対に必要になりますから。
床面パネルの下側からボルトを生やした状態で壁パネルを持ち上げ起こし、良い感じの位置に調整しながらナットで固定し、且つ電源ケーブル類を引き込む。という難関ですね。持ち上げや絶妙な位置調整にはデッドリフト的な筋力が必要な感じですね。
壁パネルが2枚とも床パネルに固定できましたら、壁パネル相互をビスで固定し、隙間という隙間をシリコーンコーキングで埋めていきましょう。
ちょっと一息ついたところで重要な案件に気付きます。
天井照明器具の位置変更
自室天井にはちょうど真ん中の位置に、一般的なリモコン式シーリングライトが設置されています。これが、防音室を設置すると完全に妨げになる位置です。これは位置変更も必須ですね。
天井からシーリングライトとシーリングを取り外したところ。これも電気工事士の作業領域ですよ。電源は遮断して停電作業にしましょう。
次は、照明器具の適正な位置となる部位の天井に穴を開け、先ほどのシーリングに接続されていた電線を天井裏で発見する必要があります。
写真は天井裏のものです。開けた穴は腕が一本入る程度のサイズだったため、スマホのライトを照らして動画を撮影しながら空間把握を行います。写真は撮影が難しかったので、上の写真は動画のキャプチャです。
黄色い配線が照明用のVVFケーブルなのですが、位置が遠くて素手では届きません。
50cmほどの長めの定規を駆使してケーブルを捕まえました。
天井は照明器具で隠れるので、石膏ボードやクロス仕上げの補修は行いません。
下地用に構造用合板の端材を仕込んでフタをして、シーリングを取り付ければ完了です。
しかしロックウールもチクチクするんですね。グラスウールだけだと思って油断していましたが、右腕がチクチクしすぎてヤバい。
こんな時はなるべく擦らずに、そのまま風呂に直行して熱めの湯に浸かりましょう。気休めかもしれませんが毛穴が開いて繊維が取れやすい気がします。あとはシャワーで流せば何とかなります。擦ると繊維が深く入り込んでしばらくチクチクが収まりませんよ。
残り2面の壁作成
もう半分ですね。
こちら側の壁面には換気口が設置される予定です。換気口部分を補強します。
構造用合板を2枚張った後、ホールソーでくり抜きます。室内にも関わらず、エライ量の木屑が生じますので注意してください。
入り口部分の枠組みはこんな感じです。頑張って組み上げては解体して、2階に運んで再構築します。
入り口側の面の壁パネルを先に立ち上げて、その後にもう一面の壁パネルを立ち上げ、入り口側のパネルを固定して、最後のパネルを固定するという流れなのですが、作業者が1名なので結構しんどいんです。
1枚目のパネルを立ち上げた後、倒れない様にカーテンレールに結び付けているの図が上記写真です。
壁側のパネルを固定した際には、あくまで既存壁にもたれかけながら固定できたので比較的楽だったんですが、その他の2枚はそこそこフリーに動くので固定も大変。今までの若干の歪みも積み重なり、所定の位置にボルトも上手く入らないし。
終わった頃には汗だくでしたよ。写真も撮り忘れましたね。
なんとか壁面が4枚組みあがりました。ここまでくれば完成したも同然ですよ。
次回は壁パネルについて書いていきますが、内容は薄めになりそうですね。
ではまた。
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