久しぶりのブログ更新となりました。何やら本業の方がやたらと人員不足で忙殺されていた影響か、ここ一年間ほど、クリエイティブな行動をする気力が一切損なわれていた気がいたします。恐らくですが半分精神疾患のような状況だった気がします。何をやっていたかというとほとんどオフラインゲームで現実逃避ですね。
これではいかんという事で、アクティブかつアウトドアの極致とも思われる船舶免許を取得してみましたよ。因みに私は船も持っていませんし、釣りは嗜む程度、全然釣りキチではない感じです。何のために取ったんだと言われると、免許の取得過程が趣味なのかなというところ。
気が向いたらレンタルボートでも借りて釣り行くかもしれませんし!
小型船舶操縦士免許とは
船舶職員及び小型船舶操縦者法に規定される免許で、国際法などによるものではないので原則は日本国内での有効資格になるようです。後述しますが小型とはいえ結構な大きさの船を航行できます。
免許は一級と二級、二級(河川限定)、その他には水上オートバイ用の特殊の4種に分類されます。
一級と二級で何が違うのかというと、船に乗ってどこまで沖合に出られるのかですね。
・二級には海岸から5海里(約9km)という制限があります。
・これが一級では無制限になるとは言うものの、海岸から100海里(約185km)を超えると船長以外に六級海技士(機関)以上の資格者の同乗が必要になるため、実質、これが個人の限界ですかね。下の日本地図で見るところの太平洋側、赤線の最も遠い部分が約200海里のEEZ範囲なので、これの半分くらいまでかな。もちろん日本海側は各国との境界もあるので刺激しない様に注意を要したりしそうですね。
※海上保安庁HPより転載画像
※地図上の赤線は排他的経済水域(EEZ)で最遠部は200海里(約370km)を示す
小型船舶としての大きさ制限は、総トン数20トン未満のボート、または、用途がスポーツやレクリエーションに限定された長さ24メートル未満のボートとなります。
総トン数20トンとか言われても、大きさのイメージがいまいち掴みづらいところですが、近年世間を悪い意味で賑わせた観光船事故のKAZU Ⅰ(カズワン)、あれで総トン数19トンらしいので、概ねアレが小型船舶として操縦できる限界ですかね。
※こちらの写真は例のカズワンではなく信頼と実績のある知床観光船ドルフィンⅢとカシュニの滝。こちらの観光船も総トン数19トンです。
水上オートバイ(ジェットスキー)のみ、単独な特殊小型船舶という免許になっていますね。2003年5月以前は旧一級~旧五級免許に分類されており、その頃は特殊免許もセットだったんですよね。これ以前に取得されていた方はお得でしたね~。
いずれは私も一級資格に限定解除を行い、特殊小型も取得したいなと思う所存にございます。
二級小型船舶操縦士免許の取得方法
小型船舶免許の取得方法はいくつかあり、大まかには以下の3通りになる感じでしょうかね。
いずれの場合でも学科試験、実技試験に合格する必要があります。
参考程度ですが、二級資格取得までの大まかな日程や概算費用も併記します。
・登録小型船舶教習所
登録教習所コースは国家試験免除と呼ばれる方式で、教習所の講習を受講し修了試験に合格する事で免許取得となります。金額的に最も高額ですが試験に落ちるリスクなどは低いですね。
学科講習2日、実技講習1日ほどの日程。
費用は110,000~140,000円ほど。
・免許スクール
スクールでの講習を受講した後に国家試験を受験する方式。教習所コースよりは若干安価。試験に落ちる事もそうそう無いんでしょうが、試験の緊張感はありそうですね。
学科講習1~2日、実技講習1日ほどの日程。
費用は70,000~100,000円ほど。
・国家試験独学受験
知り合いに船持ちの方などが居れば実現可能かもしれません。ただ試験範囲などの情報を独自に入手したり、試験に落ちて再受験するリスクなどを考えるとなかなか大変です。試験会場が近い場合などでは検討の価値ありですね。
学科試験、実技試験は同日実施。
費用は26,000円ほど。
登録小型船舶教習所で取得してきました
私は秋田県在住につき、最寄の国家試験会場は山形県酒田市になります。
理論上、国家試験独学一発合格が最も安いのですが当然交通費や、試験に落ちた際の再受験費用などを考えると流石に踏み切れないですねー。
コロナ状況なども考えると秋田県から出ずに取得したい。そうなると「ビーエルエス東北」さんにお願いするほかないですね。費用は約13万円でした。
日程の都合もあって選択肢があまりなかったせいもあり、先に実技講習(試験含む1日)を受講し、後に学科講習(試験含む2日)というスケジュールでした。
・実技講習
いきなりの実技講習で緊張したものの、後から考えるとその方が良かった気がしますね。現物を見て触った後でないと座学でテキストを開いてもイメージが掴みづらい気がします。
小型教習艇の現物を見ながら各種部位の名称やら点検・操作方法を学び、ロープワークなんかもやりますね。その後は実際に乗船し操舵します。離岸・着岸、スラローム、落水者に見立てたブイを回収する人命救助など、国家試験科目と思われる操作を入念に教えて頂きました。
実技講師の方々も懇切丁寧で本当に良い人たちでした。
修了試験とはいえ、引き続き講師の方が同乗したままなのでさほど緊張する事も無く、何事もなく終了しました。本来は細かい合否判定基準もあるのでしょうが実際はよく分かりませんでした。実技講習では講師の方の指示通りに操作すれば全く問題ない程度です。独学の場合は鬼門となりますがYOUTUBE等で何度もイメージトレーニングを重ねればあるいは、という感じでしょうか。
実際の操舵面では着岸や人命救助など、細やかな操作や風による影響なども関わってくるため、今後も引き続き練習しなければ本当の意味で技能を修得したとは言い難いですね。
・学科講習
2日間に渡る学科講習では以下の試験項目ごとに勉強していきます。学科講師の方も、何とか面白おかしく、且つ大事な部分はしっかり押さえるという事に情熱を持っている方で、経験談なんかを挟みながらお話し頂けるので退屈せずに受講できました。
因みに修了試験は一般科目全受験の場合、全50問ですね。四肢択一の試験になります。合格基準は各科目の半分以上得点したうえで、全体の65%以上の正答率で合格になります。13問の科目の場合は7問以上の得点、全50問の65%以上では33問以上が合格ラインになりますね。
【小型船舶操縦者の心得及び遵守事項】13問
ここでは海難種類や原因、信号旗の意味やら船長の遵守事項、免許証や登録制度などについて学びます。
【交通の方法】13問
海上衝突予防法の問題がメインですね。船がこっちから来たらどう避けるのかみたいなやつ。港則法では港内での高校方法に関しても学びます。
【運行】24問
範囲がやや広く、海図記号や標識、ロープワークやエンジン構造、天気図や月の見え方から救護措置といった内容を学びます。
恐らくですが講師の方も、その時に出る問題を全問完全に把握しているということは無いですね。ただ出題される可能性のあるポイントは全て把握しており、そのポイントはほぼ全て教えてくれます。講習受講の場合は全く問題ないです。
私は自己採点の結果、50問中47問の正答でした。
独学の方でも、過去問例なども広く公開されているので2~3日勉強すれば問題なさそうなレベルです。
免許証も届きました
学科講習後、約2週間ほどで免許証が簡易書留で届きました。
流石に交付日で身元バレは無いと思いますので、それ以外は伏せた状態の写真がこちら。
私は船に乗り込む予定などありませんが、予定のある方は交付日まで見込んで早めに受講・受験したほうが良いですね。
一級資格への限定解除について
冒頭でもお話ししていた一級資格と二級資格の違いについてですが、航行範囲が制限されるなら一級が良いに決まっているじゃないか。確かにその通りです。
ただ、二級資格を取得済みであれば以下の学科試験を受験するだけで限定解除となるのですね。
【上級航行Ⅰ】8問
【上級航行Ⅱ】6問
計14問。合格基準は変わらずなので、Ⅰを4問、Ⅱを3問以上正解したうえで合計10問以上の正解でクリア。微妙にムズい気がするのは置いておいて、実技試験無しで限定解除可能です。
現地で身体検査を受けたとしても費用はなんと1万円ほど。
いきなり一級を受験する場合の教習所料金は約16万円でした。限定解除を行って免許証が新しくなると、その時点から免許証の有効期限が5年になるという特典も考えると、二級のみ教習所で取得し、一級への限定解除は5年後にでも独学でゆっくりやろうかなという考えになってしまいました。
因みに、身体検査の有効期限は半年のため、二級合格後半年以内であれば身体検査は免除というお話もありますね。
必要となる海上特殊無線技士免許の件
ヤマハさんのHPが詳しいので説明を丸投げしてしまうのですが、海上での安全を担保するために国際VHF無線機を搭載し運用する場合、海上特殊無線技士免許や特定船舶局免許も必要になります。
据置型の大きいやつでも二級で扱える様子なので、いずれはこれも取得しようと思います。もうちょいでCBT受験も可能になりそうな雰囲気があるのでそれからでもいいかな。
以上、二級免許とその他もろもろのお話しでした。
ではまた。
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