さて、先日もチラッと書きましたが、今回はコインのグレード評価について掘り下げて考えてみます。
日本におけるグレード評価は海外のものと比べるとかなり曖昧で、コイン鑑定者の主観に依ってしまう事が多いようですね。そして、始めにお断りしておきますが、これは日本コイン業界へのバッシング等では決してございません。
日本的評価基準
まずは日本貨幣カタログ2017記載、日本貨幣商協同組合(JNDA)の評価基準を見ていきましょう。
日本貨幣カタログ(2017年版) [ 日本貨幣商協同組合 ]
|
・完未(BU)
完全未使用品の略で、表面の輝きが製造時の状態を保ち、製造後の摩耗・スリキズ・当たりキズなど全くないもの。ただし、ごく僅かな製造時のスレ・当たりキズは認められる。
・未使用(UNC)
表面の輝きは製造時の状態を保ち摩耗がない。しかし、製造時や運搬時のスリキズや当たりキズが僅かにある。
・極美品(EF)
全体としては未使用の状態に近く、表面に製造時の輝きを残している。ごく僅かな摩耗がみられ、肉眼で認められるスリキズや当たりキズが僅かにある。
・美品(VF)
流通時の摩耗・スリキズ・当たりキズ・汚れ・変色が認められる。未使用の輝きを一部に残すものから、図案の一部が摩耗により見えないものまで含む。このグレードに含まれる硬貨が最も多い。
・並品(FINE)
全体的に摩耗がすすみ高い部分の図案の多くが消えている。キズが多く、汚れ、変色も全体に見られる。
これを初めに読んだ際、「製造後のキズ」と「製造時のキズ」の違いなんて素人には分かる訳がないと思いましたね。また、汚れや変色のあるコインはその時点で「美品以下」なのだなぁ、とも思いました。薬品洗浄についての言及もなく、コインショップなどで堂々と「コインクリーナー」なるものが売っているところを見ると、昔は美品クラスのコインを洗浄して極美品へ昇華、みたいな事も慣習として行われていたんだろうなと感じます。現在は海外の評価基準も徐々に浸透してきている様で、排斥されて行く文化なのでしょうけれども。
海外評価基準
対してPCGSを代表とする海外基準ではコインの変色が無いものを加点要素的に評価するようで、仮に銅貨が茶色に変色していても問題なく完全未使用品の評価が付いたりしています。評価も70段階に細かく細分化されており、評価基準も日本のソレよりは具体的で理解・納得しやすいです。
日本と海外では、そもそもの人口もコインコレクター数も桁が違うので仕方がないのでしょう。競技人口が多ければ多いほど洗練されていくのは世の常ですからね。
その具体的な評価基準ですが、PCGSの公式サイトに英文で記載があります。
日本語訳版もあるにはあるのですが、翻訳ソフトで直訳した様な怪しさがあります。
「完全なるストライクでストライクされている」とか言われても、日本語が破綻しているような印象です。
そこで、海外基準の浸透を少しでも推し進めたいとの願いから、私の怪しい英語力で翻訳してみましたよ。(TOEICは200点台)
ただ、htmlタグで表を組んだ事がないので、表現するのに少々時間が掛かりそうです。
またの機会に載せますね。
ではまた。
コメント